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先天性門脈体循環シャントに罹った

2023-08-07


普段あまりこういうのをインターネットに書くタイプではないけど、ちょっと大変だったので忘れないように書いておく。
と同時に、これを読んでいる人がどのような人かわからないけど、同じ門脈シャントが見つかった飼い主の人に届くといいなとか思ってる。

自分も診断を受ける前後くらいはインターネットで色々な記事を調べては安心したり不安になったりしていた。そのような中で完治した例を見るのは本当に励みになったし、自分もそのケースになれればいいなとか思ってる。(もちろん現実から目を逸らせという意味ではない)

WARNING

ここに書いてある門脈シャントについての内容は治療を通して病院に聞いた話であったり、インターネットで調べたことをベースに書いています。筆者に医学的な知識はありません。

門脈シャントが見つかった

自分は 1 歳になったばかりの猫と二人暮らしをしている。
その猫が生後 7 ヶ月だったとき、先天性門脈体循環シャントという難病が見つかり、数ヶ月の闘病で 2 回の手術を経てシャントの完全結紮をすることができた。
門脈体循環シャントとは、肝臓に老廃物を送る血管が肝臓に入る前に分岐してしまうというもので、肝臓に老廃物が送られず解毒されないため、全身に老廃物が巡る病気で、肝性脳症と似た症状が出る。

初診の際に勧められた記事: https://www.oji-pet.jp/case01.html

一般的には手術で完治させることが可能なものの、猫の場合、原因不明の術後結紮後発作が 8%~22%ほどのかなり高い確率で起こる。(犬だともう少し低いらしい)
発作が起きた場合は後遺症が残るか、最悪の場合安楽死になる。
治療にかかる費用は病院によるものの 100 万円前後と言われており高額で、手術後の発作のリスクもあるためインフォームドコンセントのような形式で治療の意思決定を行った。(治療しない選択もできるが予後はあまり長くないことが多い)

また、それとは別で交通費であったり検査費用等もあるので、場合によっては 100 万円を超えることもあると思う。

時系列

  • 2023 年 3 月中旬: 初診(このタイミングで大学病院への紹介状を書いてもらい転院)
  • 2023 年 3 月下旬: 血液検査と CT 検査による確定診断
  • 2023 年 4 月下旬: 1 回目の手術
  • 2023 年 6 月下旬: 様子を見るための診療
  • 2023 年 7 月下旬: 2 回目の手術

症状

うちの猫は以下のような症状が出た、いずれも一時的なものであり、現在は寛解している。

  • よだれ
  • 舌を出す
  • 失明
  • 歩行困難
  • 食欲不振
  • 嘔吐
  • 体重減少

症状は 2023 年 3 月に出始めた。元気控えめで舌を出しているのを見て、病院に連れて行ったところ、アンモニアの数値が高いとの診断を受けてそのまま入院した。
翌日には元気になったので退院したが、そこから 3 日くらいの間に上記のすべての症状が立て続けに出てきた。本当に急速に体調が悪化して弱っていった。

治療

手術をすることにした。
内容は分岐の起きている血管を結紮するというもので、一度に結紮すると血圧が上がってしまうため 2 回に分けて実施することになった。

INFO

実際、本来の門脈よりも分岐のできている血管の方が太かった。これは確かに一度に塞いだら爆発する。

手術までの間は、肝臓用の療養食とラクツロースによる血中アンモニア濃度の低下を目指す対症療法を行った。
また、上述の術後結紮後発作のリスクを下げるために、術前後に抗てんかん薬の投与を行った。

1 回目の手術

1 回目の手術は順調に終わった。
手術に加えて 1 週間の入院で様子を見る形になった。病院は平日であれば面会が可能だったので毎日足を運んだ。
術後結紮後発作が出やすいのは術後 72 時間とのことだったので、3 日目に何事もなかった時にはとても安心した(実際は術後 72 時間を過ぎてから発作が出ることもあるらしい)。

術後はなんともなく順調に回復し、予定通り 1 週間で退院して家に戻ってきた。
明らかに元気になっており、症状が出る前よりも増したやんちゃぶりには手を焼いた...。(ペットなんてのはうるさいくらいがちょうどいいなと思った)

2 回目の手術

2 回目の手術も順調に終わった。
1 回目と同様、72 時間は慎重に様子を見て、1 週間の入院を経て退院した。
2 回目の手術でシャントの完全結紮ができた。

ここまでちゅーるをはじめとした嗜好品は食べさせず、ひたすら療養食と投薬をしてきたのでそれから解放されると思うと大変嬉しい。

今後

今後は、シャントの完全結紮はしたものの、今後は定期的に病院に通い検査をしつつ、何事もないかを観察していく。

最後に

生後 7 ヶ月の段階で病気が見つかり、5 ヶ月ほど治療をしてきたがうちの子の場合は一旦シャントの完全結紮(完治?)ができてよかった。
治療をしてくれた先生をはじめ病院の関係者の方々には本当に感謝している...。

これからも猫と楽しく過ごせるといいなー。

参考

うちの猫について

2022 年 7 月生まれのミヌエット。性別はオス。
症状がではじめたのが 2023 年 3 月で、その時点での年齢は 7 ヶ月。体重は 2.8 キロ。
血液検査の結果、血中アンモニア濃度は 200mg/dl 以上だった。(猫の基準値は検査期間にもよるが 90mg/dl 以下)

うちの猫について 2

うちの猫はとても優しい子で怒ってるのを全く見たことがない。
尻尾を触っても爪切りをしても怒らない、逆に怖い。
遊ぶ時は全力で、ご飯もたくさん食べる、そしてよく寝る。常に尻尾がぴーんとしていてゴロゴロ喉を鳴らして歩いてる。可愛い。